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在宅医療研修におけるポートフォリオ作成の手引き

ポートフォリオ基盤型学習について
ポートフォリオ基盤型学習とは、学習者が在宅医療の断片的な経験を積み重ねていくという偶発的経験の蓄積に依拠するのではなく、学習者が自らの意思に基づいて、研修すべき内容の全体(在宅医に必要なスキルとマインドなど)をおさえ、「何のために何をやりとげたいか」「この研修で何を獲得したいのか」という自らの目標を定め、自らの意思で前向き(prospective)に学ぶことを援助する学習方法です。
つまり、研修期間の終了間際に振り返りながらエントリー項目をピックアップするという症例報告ではなく、研修の初めから、目標(アウトカム)を設定し、エントリーできる内容を探しながら研修を行うもので、研修者は「今のこの経験が、私が目標とする在宅医になるために必要なスキルのうちの、この領域・この部分を学んでいる」ということを常に意識して診療にあたることになります。
研修者はポートフォリオ領域として学会が定めた10領域・49項目(別紙参照)の中から、自ら選択した必須項目を含む10領域15項目のショーケース・ポートフォリオを最終的なプロダクトとして完成させます。

ポートフォリオの創り方
ポートフォリオの作成方法
(1) 提出するポートフォリオの形式
① 15項目のポートフォリオの一覧を作成し、提出します。
(領域、テーマ、テーマを選択した理由などを記す所定の様式あり)
② 各項目に関するポートフォリオを作成し、提出します。
*一項目につき、A3 1枚(横)に作成する以外特別な決まりはありません。

(2) ポートフォリオ作成のポイント
① 目的、方法、結果、考察、結語などの従来の論文形式ではなく、まったく自由に記載します。単純なケースレポートではなく、創意工夫された作品を歓迎します。(できるだけビジュアルに訴えられるよう、写真や図等の資料を用いるほうが望ましい。)
② 研修者はこの領域で、自ら学んだことや獲得した臨床能力を示し、周囲に自らの能力を理解してもらうつもりで、ポートフォリオを作成します。また、できるだけ、自分の思考経過が分かるもの、ケアや診療において自らが工夫した経過・結果が分かるものが望ましい作品と言えます。また、取り上げた項目についての課題があれば言及してください。
③ ポートフォリオの形式、レイアウト、色彩、写真の使用などは自由です(写真の使用やカラー印刷にするなど、見る人にわかりやすい内容にすることを心掛けてください)。研修者の創意工夫を歓迎します。

(3) ポートフォリオの具体例
ここでは、いくつかの例をあげながら、ポートフォリオ作成について説明します。
① 領域 B2-④ 患者中心の医療・その他
Bad news tellingを自分が主治医として行ったケースを抽出し、診療録からコミュニケーションの内容を分析した。
② A-5の① 困難事例への対応
チームで対応した困難ケースの1例についてのケースレポート。ケースの提出の場合、いくつも同様のケースを経験した 場合は、事例の中から最も自分がうまくかかわれたケース、課題が多かったケースなど一つにしぼって出せばよい。
③ A-4の① 急性期対応
一年間に時間外の急性期対応を自分がこれだけのおこなったというログ(一覧表)だけでもよいし、
診療所全体の急性期対応を分析し、考察を加えたものでもよい。
④ B-5の②在宅医療の質改善プロジェクト
在宅医療の質を改善するために、システム改善を提案して、とりくんだ経過やその成果を報告する。

ポートフォリオに基盤学習における指導医の役割
研修期間の初期段階で面接を行い、研修期間中に「何のために、何をやりとげたいのか」を話し合い、明確にします。具体的に目標とする領域・項目のうち、研修期間中に自分がどのようなことがらを達成したいのかを確認し合います。
在宅研修機関が想定している研修のプログラムで、目標を達成するための経験・学習の場が設定されているか(プログラムの決定・修正)を確認し合います。(急性期対応を経験するために待機、当直などの時間が確保されているかなど)
指導医は定期的なフィードバック(週1回あるいは2週に1回等)、レジデントデイ(月1回、2月に1回等)などの機会をもうけ、研修者学びの振り返り、ポートフォリオ作成を援助します。特に、振り返りの中から、テーマとなりそうな事例、ことがら(ねた)を一緒に確認し、指導します。
研修期間の後半は、さまざま領域、項目にまたがる元ポートフォリオ(荒削りのもの)から、凝集した提出用(ショーケース・ポートフォリオ)に完成することを意識しつつ指導します。
できれば、プログラムの3分の2を終えた時点で、それまで完成したポートフォリオの報告会などを開催し、集中的に振り返りを行う場を設け、研修状況を確認するとともに、最終的なポートフォリオ作成にむけての軌道修正を行います。
研修の最後では、完成したポートフォリオを確認しながら、研修総括を行い、今後の課題などについて確認します。


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